競技会の流れ
大会全体の流れ
基本的な国際大会の流れをまとめました。
大会全体の流れですが、大会によって4種目の行われる順番が多少違います。ここでは、例として2013年の世界選手権の日程を載せておきます。細かい時間は省略していますので、大会全体がこの様な流れだとご理解ください。
下記を見ればわかりますが、朝早くから遅くまで予定がびっしりです。全ての練習が参加自由なので、早めに上がるのも不参加も自由です。
本番のリンクでの練習は決まられた公式練習以外ではできません。
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<MR> 本番リンク <PR> 練習リンク <公練> 公式練習 <S/F> SP/FS (SD/FD) どちらの 曲を かけても 良い <OC> 開会式 <EX> エキシビ ション |
グループ
公式練習でも実際の試合でも、グループごとに行います。最初のグループを第1グループと呼び、第2・第3と続きます。
試合の際は最終のグループを最終組などと呼びます。
ショート・フリーどちらの曲かけ練習を行っても構わない、大会序盤の公式練習では、グループは分けは国ごとになります。同じ国の選手は同じグループが基本です。
このグループ分けは大会開始前に公開されるので、事前にどの国のどの選手と同じグループか分かります。グループごとに練習時間も決まっています。
ショート・フリー本番の朝に行われることが多い、そのプログラムの曲かけ公式練習では、実際の試合を行うグループごとに練習します。
時間も試合と同じ第1グループから始まります。
下記に4つの種目の1グループの人数(組)をまとめました。基本はこの人数になります。これより少ないことはありますが、多いことはありません。
男子シングル | 女子シングル | ペア | アイスダンス | |
---|---|---|---|---|
1グループ | 6人 | 6人 | 4組 | 5組 |
公式練習
公式練習は、決められた時間に本番リンク又は練習リンクで行われます。
大会の日程に従い、グループごとに30~40分が与えられています。参加は自由なので、早めに上がるも不参加にするも自由です。
マスコミにも公開されています。スポーツニュースでよく耳にする「4回転に5回挑んで1回成功」などの報道は、この公式練習を取材した報道になります。本番リンクで行われる試合当日の練習は、チケットを持っていれば見ることもできます。練習中は座席指定が無いこともあるようです。
公式練習以外で本番リンクを使っての練習はできません。開催国の選手に有利にならない為です。
そのため、世界選手権やオリンピックなど大きな大会で使うリンクが事前の大会で使用される場合は、選手としてはぜひ参加して、会場の雰囲気や氷の感触を確認したいところです。
各グループごとの簡単な流れを明記します。
- 1.ウォームアップ
- 2.曲かけ練習
- 曲を流す順番は、事前に決まっている。
- グループの全ての選手(組)がリンクの上で練習できるが、曲が流れている選手(組)が優先される。(自分の曲かけの順番でなくても、邪魔にならない範囲でジャンプなどの練習は可能。)
- 大会序盤の公式練習では、ショート・フリーどちらの曲かけ練習を行っても構わない。(S/F などのマークで公開される。)
- ショート又はフリー本番当日の朝は、行われるプログラムの曲を流す。
- 自分の曲が流れている間、曲に合わせた練習をしなくても構わない。(ひたすらジャンプ練習など。)
ショートプログラム・ショートダンス
公式練習でも実際の試合でも、グループごとに行います。最初のグループを第1グループと呼び、第2・第3と続きます。
試合の際は最終のグループを最終組などと呼びます。
競技会では、ショートプログラム・ショートダンスが先に行われます。(予選がある場合は予選が先です。)
公式練習同様に、グループごとに競技が行われます。2つのグループが滑走を終えるごとに、製氷作業のための休憩が挟まれます。世界選手権やオリンピックなど大きな大会では、世界ランキングを基に、最終2つのグループに上位選手が集められ、その中で滑走順の抽選があります。開会式後に抽選が行われることが多いです。グランプリシリーズの場合は、世界ランキングからの順で滑走順が決定します。抽選はありません。
全てのグループが終了後、フリーの抽選が行われます。その後、ショート上位3選手(組)の記者会見が行われます。
世界選手権での「スモールメダル」授与式はここで行われます。
また、世界選手権やオリンピックなど大きな大会では、フリーに進める選手(組)がショートよりも少ない場合が多く、下位の選手が涙をのみます。
各グループごとの簡単な流れを明記します。
- 1.ウォームアップ(6分間練習)
- グループ全ての選手(組)がリンクの上で練習できる。
- 滑走順に名前がコールされる。
- 1分前にコールがある。
- 1番滑走の選手(組)は早めに練習を終えないといけないので、あまり好まれない。
- 2.滑走順に演技開始
- 名前をコールされてから、1分以内に演技を開始しなければならない。
- 選手(組)が停止したら、音楽が流れる。
- 選手(組)が動き出した所から演技開始とする。(タイムキーパーが演技時間の計測開始する。)
- 選手(組)が停止したら演技終了とする。(タイムキーパーが演技時間の計測終了する。)
- 演技後は、キス・アンド・クライでコーチらと共に得点の発表を待つ。この時に、リンクに投げられた花束などをボランティアの子供たちから受け取る。
- 演技終了者がリンクから出た際に、次の演技者がリンクに入る。演技終了者の得点発表を待つ間は、自由にリンク内で練習して構わない。
- 演技終了者の得点発表後、次の演技者の名前がコールされる。
- 3.滑走順に同じ流れが続く
男子シングル | 女子シングル | ペア | アイスダンス | |
---|---|---|---|---|
1グループ | 6分間練習 + 6分×6人 合計42分 |
6分間練習 + 6分×6人 合計42分 |
6分間練習 + 6分×4組 合計30分 |
6分間練習 + 6分×5組 合計36分 |
フリースケーティング・フリーダンス
ショートプログラム・ショートダンス終了後、別の日にフリースケーティング・フリーダンスが行われます。
世界選手権やオリンピックなど大きな大会では、4つのグループで行われます。
最終グループのウォームアップ(6分間練習)が始まると、会場の盛り上がりは頂点になります。
滑走順は、ショートの上位からグループの人数(組)ごとに分けられ、そのグループ内で滑走順の抽選が行われます。
抽選はショート終了直後になります。グランプリシリーズの場合は、ショートの順位が下位の選手(組)からの滑走です。抽選はありません。
各グループごとの簡単な流れは、ショートと同様です。
下記に4つの種目の1グループの人数(組)をまとめました。基本はこの人数になります。これより少ないことはありますが、多いことはありません。
- 1.ウォームアップ(6分間練習)
- グループ全ての選手(組)がリンクの上で練習できる。
- 滑走順に名前がコールされる。
- 1分前にコールがある。
- 1番滑走の選手(組)は早めに練習を終えないといけないので、あまり好まれない。
- 2.滑走順に演技開始
- 名前をコールされてから、1分以内に演技を開始しなければならない。
- 選手(組)が停止したら、音楽が流れる。
- 選手(組)が動き出した所から演技開始とする。(タイムキーパーが演技時間の計測開始する。)
- 選手(組)が停止したら演技終了とする。(タイムキーパーが演技時間の計測終了する。)
- 演技後は、キス・アンド・クライでコーチらと共に得点の発表を待つ。この時に、リンクに投げられた花束などをボランティアの子供たちから受け取る。
- 演技終了者がリンクから出た際に、次の演技者がリンクに入る。演技終了者の得点発表を待つ間は、自由にリンク内で練習して構わない。
- 演技終了者の得点発表後、次の演技者の名前がコールされる。
- 3.滑走順に同じ流れが続く
男子シングル | 女子シングル | ペア | アイスダンス | |
---|---|---|---|---|
1グループ | 6分間練習 + 8分×6人 合計54分 |
6分間練習 + 8分×6人 合計54分 |
6分間練習 + 8分×4組 合計38分 |
6分間練習 + 8分×5組 合計46分 |
選手達があまり好まない滑走順は、おもに第1滑走と最終滑走です。
第1滑走については、上記のウォームアップ(6分間練習)部分でも書きましたが、6分間の練習をフルに使えない点が好まれない理由です。
6分間の練習後、すぐに第1滑走の選手の名前がコールされるため、練習時間が他の滑走順の選手よりどうしても短くなります。気持・呼吸を落ちつける時間が必要だからです。
最終滑走は、ウォームアップ(6分間練習)から時間が空きすぎるので、好まれない傾向にあります。男子シングルのフリーでは、最終滑走はウォームアップ(6分間練習)から1時間近くの時間が空きます。体を温めて集中力を切らさないのは、簡単なことではありません。
他にも、開催国の選手の後、有名選手の後はあまり好まれません。歓声がすごいことはもちろん、花束などの回収にも時間がかかります。得点の発表が聞こえてしまうことも、プレッシャーになります。
ここであげたのは、あくまで一例で全選手に共通することではありません。選手には個人差があり最終滑走を好む選手もいます。どんな滑走順でも自分の演技に集中すること、何よりもこれが大事になります。
前項 / 世界ランキングの計算方法
次項 / 演技時間