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アイスダンスのフリーダンス(FD)

アイスダンスの競技会では、ショートダンスの後にフリーダンスが行われます。 予選がある場合は、ショートダンスの前に、フリーダンスで予選が行われます。 競技会の流れについては、こちらに記載します。
フリーダンスには、9個(ロングリフトの場合は8個)の要素(エレメンツ)が演技可能(技術点が認められる)です。 これ以上の要素(エレメンツ)を入れても、技術点は認められません。
演技時間は、3分50~4分10秒です。 詳細は、こちらに記載します。
下記にフリーダンス全般要求事項と、可能な要素(エレメンツ)の種類と数、バランスのとれたプログラムをまとめました。
   
[アイスダンスのフリーダンス(FD) 全般要求事項]
全般要求事項
  1. フリーダンスは、音楽の性格(曲想)/リズムを表現しつつ、ダンスステップや動作を織り交ぜて創造的なダンスプログラムをカップルが滑走するものである。
    フリーダンスは、新しいあるいは既知のダンスステップおよび必須要素などの動作を含まなければならず、卓越したスケーティング技術に加えて、考え方や配置、表現にこめられた各カップル独自の独創性を示すことができるバランスのとれたひとまとまりとして構成されていなければならない。
    プログラムは必須要素を含め音楽に合わせ拍子をそろえて滑走しなければならない。
    カップルは主としてリズミカルなビートに合わせて滑走しなければならず、メロディのみに合わせてはならない。
    振り付けは選んだダンス音楽のダンスの性格、アクセント、ニュアンスを明確に反映し、速さやテンポの変化によってパートナーの深い関係性を明確に表現し、雰囲気とペースの明確な変化を表現するべきである。
    プログラムは氷面の全面を使用しなければならない。
    フリーダンスはペアまたはショウ・プログラムのコンセプトを持ってはならない。
  2. フリーダンスの音楽はボーカルを含んでもよく、スポーツ種目としてのアイスダンスに適したものでなければならず、以下の特徴を持たなければならない。
    • 音楽は耳に聞こえるリズミカルなビートとメロディ、または耳に聞こえるリズミカルなビートのみを備えていなければならず、メロディのみであってはならない。
      ボーカルを含んでいてもよい。
      音楽はプログラムの開始または終了において10秒間まで、さらにプログラム中において10秒間まで、耳に聞こえるリズミカルなビートを含まなくともよい。
    • 音楽は最低1回のテンポおよび表現の変化がなければならない。
      この変化は徐々にでも急激にでもかまわないが、どちらの場合でも明らかでなければならない。
    • クラシック音楽を含め全ての音楽は興味深く、かつ色彩豊かで楽しめる、さまざまな雰囲気や盛り上がりのあるダンスプログラムを作り出すように編集・編曲されていなければならない。
    • 音楽はカップルのスケーティングスキルと技術的な能力に適していなければならない。
      これらの要件に従わないフリーダンスの音楽は減点により罰せられる。
  3. あらゆるステップとターンが許される。
    プログラムにはスケーティング技術、難しさ、多様さ、独創性を示し、ダンスのはっきりとした技術的内容を構成するディープエッジと複雑なフットワークが含まれなければならず、かつ両パートナーによってなされなければならない。
    観客席の公衆のため、プログラムは観客席の全方向に対して構成されていなければならず、ジャッジ側のみに焦点が当てられていてはならない。
  4. 音楽の性格にふさわしく、ウェルバランス・プログラム(バランスのとれたプログラム)の概念から外れなければ、全ての要素や動作が許される。
  5. 複雑なフットワークを行うための分離の回数は制限されない。
    パートナー同士の距離は両手間隔を越えるべきではない。
    そのような各分離は5秒間を超えてはならない。
    フリーダンスの最初と最後の分離は10秒までなら許され、距離に制限はない。
  6. あらゆるホールドチェンジが許される。
    多種多様なホールドが含まれることはプログラムの難度を増すことになるので含まれるべきである。
    フェイス・トゥ・フェイスでの滑走は、サイド・バイ・サイドでの滑走、ハンド・イン・ハンドでの滑走、離れての滑走、あるいは一方が他方の後ろを滑走することに比べて難しいとみなされる。
  7. カップルが氷上の一箇所に留まって体を動かしたり、ひねったり、ポーズをとったりなどを行うための完全なストップ(5秒まで)は許される。
  8. プログラムはスケーティングの質によって表現されなければならない。
    片膝をついての滑走やトウステップを使うなどの非スケーティング動作で構成されてはならない。
    非スケーティング動作を用いるのはそのダンスの特性や選んだ音楽のリズムとニュアンスを反映する場合に限るべきである。(両)手で氷に触れることは許されない。
    両膝を付いてひざまずくことや滑ること、または氷上に座ることは許されず、転倒と見なされる。
   
[アイスダンスのフリーダンス(FD)]
必須要素(エレメンツ) 備考


ダンススピン

最大1つまで可能
  • 追加で、トランジショナル・ダンススピンを必須のダンススピンのあとに任意1つ行ってもよいが、2つ以上は許されない。
  • もしダンススピンとダンスリフトが組み合わされて行われた場合、これらは2つの別々の要素として認定される。



②シンクロナイズドツィズル

1セットのシンクロナイズドツィズル
  • ステップシークエンス以外で行うこと。


③~⑥ダンスリフト

下記のどちらか選択
  • 異なる種類3つを含む、4つのショートリフト(6秒以内)
  • 異なる2つのショートリフト(6秒以内)と1つのロングリフト(12秒以内)
  • リフトの種類は任意。
  • 4つのショートリフトを選択した場合は、1種類のみを同じ種類のリフトを2回繰り返すことが出来る。
  • 2つのショートリフトと1つのロングリフトを選択した場合のロングリフトが2つのショートリフトの組み合わせの場合、4つのショートリフト同様に1種類のみを同じ種類のリフトを2回繰り返すことが出来る。
  • 2つのショートリフトと1つのロングリフトを選択した場合のロングリフトが2つのショートリフトの組み合わせでは無い場合、同じ種類のリフトを繰り返すことは出来ない。
⑦コレオグラフィックダンスリフト

下記の条件を踏まえて最大1つまで可能
  • ③~⑥ダンスリフトの後に行われる
  • 10秒以内
  • リフトの種類は任意。



⑧ストレートラインステップシークェンス

ホールド有のステップシークエンス

下記のどちらか選択
  • ミッドラインステップシークエンス
  • ダイアゴナルステップシークエンス
  • ダンスリフト、半回転を超えるジャンプ、ストップ、ダンススピン、ピルエット、パターンの逆走、ループはステップシークェンスに含まれてはならない。
⑨カーブステップシークェンス

ホールド有のステップシークエンス

下記のどちらか選択
  • サーキュラーステップシークエンス
  • サーペンタインステップシークエンス
  • ダンスリフト、半回転を超えるジャンプ、ストップ、ダンススピン、ピルエット、パターンの逆走、ループはステップシークェンスに含まれてはならない。